第二話「竜人」

砂埃に咽りながら立ち上がったのは竜人の子供だった。
キョロキョロと辺りを見た後、ゆっくりと体を起こすブラウンに気づきビクッとした。
「あー…何だ…“サバクリクサメ”じゃなかった…ビックリした…」

サバクリクサメとはこの砂漠にいるサメみたいな姿の獰猛なトカゲだ。
彼らは毎日そのトカゲを狩って、竜人の国に運んでいる。

「君は…竜人だね？流砂に飲み込まれるなんて珍しいね…」
竜人はしょんぼりしながら言った。
「うん…初めて狩りをしに外へ出たんだ。
　皆は流砂がどのへんにあるかすぐ分かるみたいだけど…」

ブラウンはポンッと竜人の肩を叩いた。
「初めてでいきなり何でもかんでも上手くいくなんて滅多にないよ。
　これを良き経験として次に活かそうじゃないか」
竜人は笑みを浮かべ、コクンと頷いた。

「俺はブラウン、こっちは相棒のリラって言うんだ。君は？」
「フレアです」
こうして彼らは地上を目指すため、行動を共にする事ととなった。



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