第九話「またいつか」

「これで皆が救える。早く届けなくちゃ…」
ジストは果物と手袋と羽織っていたマントを巾着袋にしまうと、翼を広げた。

「色々と有難う、ブラウン。またいつの日か会えるといいですね」
ジストは翼を羽ばたかせ、あっと言う間に空高く飛んでいった。
その姿は豆粒となり、やがて雲に隠れて見えなくなった。

ブラウンとリラは背伸びをし、大きな欠伸をすると、予約しておいた宿へ行った。
翌日の午後。
ブラウンとリラはマリーとゴールドに別れを告げに行った。

「昨日ブラウンと一緒に居た子…顔に不思議な模様があったよね？
あれって図鑑か何かで見たような気がするんだけど…」
マリーは頭を抱えながら聞いたが、ブラウンは
「さぁ…何だろうね」としか言わなかった。

街を出たブラウンは巨大化したリラに乗って空高く飛び、
自分達が住む村へ向かった。
竜の亜人に出会ったと言う秘密を胸にしまって…



おしまい



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