第六話「神龍、現る」

天使の祭りは“神龍の召喚”から始まり、夜明けに終わる。
抽選に選ばれた12人の魔法使い達は広場の真ん中にある
大きな龍の絵を囲むように輪を作り、召喚の呪文を唱え始めた。

龍の絵が青白い優しい光を放ち、その光は徐々に街全体を包んだ。
次にカッ！と熱く強い光を放った後、広場に巨大な青い龍が現れた。

「これが…神龍…」
ジストは初めて見るその姿に驚き、感動した。

神龍はしばし街全体を見渡した後、口を大きく開けて空気を吸い始めた。
すると、街の数箇所に設置されている“天使のマグマ”から沢山の赤い光が
ゆっくりと神龍の元へ飛んでゆき、口の中に吸い込まれてゆく。
夜に輝く赤い光はとても幻想的で見るもの全ての心を奪った。



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